マウスピース型矯正装置(クリアアライナー・インビザライン)

マウスピース型矯正装置、特にインビザラインは、現代の矯正治療の中で革新的な役割を果たしています。透明で取り外し可能なアライナーを用いて、目立たない形で歯を綺麗に整えるこの方法は、多くの患者さんに選ばれています。イースマイル国際矯正歯科では、矯正専門歯科として早くからインビザラインを取り入れ、実践と研究を進めてきました。その歩みについてもご案内します。

マウスピース型矯正装置について

インビザラインとは

1997年に設立されたアラインテクノロジー社が提供する、世界で最も使用されているマウスピース型矯正装置(アライナー)のブランドです。世界100カ国以上、1500万症例以上がインビザラインで治療されています。しかしながら、日本では薬事法によりまだ医療機器として認められていません(薬機法対象外)。

このマウスピース型矯正装置は初めから完全にデジタルで設計されるところに大きな特徴があり、矯正歯科医の意図が設計図に反映される仕組みが提供されています。
着脱可能な透明のマウスピース型矯正装置を毎日20時間以上口腔内に装着し、1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換していくことで歯の移動を行います。

当院のアライナー治療

イースマイルではじめるインビザライン

2001年の開業以来、イースマイル国際矯正歯科ではMOOフィロソフィーに基づく矯正治療を一貫して行ってきました。ただし、MOOは表側のワイヤー矯正であり、目立ちにくいものを求める患者さんの要望に応えられませんでした。裏側矯正も試しましたが、ブラケットの構造上、MOOの治療プロセスで応用するのが難しかったのです。

2006年にインビザラインが日本に紹介されましたが、当初のインビザラインは歯のコントロールが思わしくなく、すぐに導入とはなりませんでした。

その後、毎年アメリカ矯正歯科医会での症例発表などを見ながら導入のタイミングを待ち、2014年に口腔内スキャナー、iTero 2.9を日本で最初期に導入し、2015年からはほぼ全ての症例をインビザラインで治療するようになりました。

そして、2017年からはインビザライン社のファカルティ(公認インストラクター)として国内外で講演活動も行うようになりました。

※ インビザライン・ファカルティとは、米国アライン・テクノロジー社が公認するインストラクターの資格です。インビザラインドクターを対象に技術の指導、講演などを行います。現在日本では、約20名の歯科医がファカルティとして認定されています。

現在、当院ではインビザラインによるアライナー治療に関連した、
3つの取り組みを行なっています。

近赤外線照射装置を組み合わせた治療

FDA認証の口腔内用近赤外線照射装置を使い、快適な歯の移動のためのコンディションを整える治療を行なっています。

近赤外線照射装置の詳細はこちら

デンタルモニタリングを利用した遠隔管理

患者さんのスマートフォンで専用アプリを通じてお口の写真を撮ってもらいます。治療が順調に進んでいるかをAIが判別し、チェックの頻度を高めつつ、来院間隔をのばすことができます。長い人は10ヶ月以上遠隔管理だけで治療を進めることがあります。

デンタルモニタリングの詳細はこちら

ドクター向けセミナー「MAOアカデミー」の主宰

MOOフィロソフィーによる治療ゴールをアライナーでいかに達成するか、治療経験や最新の治療技術を伝えるべく全国のドクターに向けて講習活動も行なっています。

MOOフィロソフィーについての詳細はこちら

MAOアカデミー公式サイト

マウスピース型矯正装置の特徴

インビザラインのメリットとデメリット

メリット

目立ちにくい

歯にぴったりフィットした透明のマウスピースでできているため、写真を撮るときにあなたが装置をつけていても、ほとんど気付かれることはありません。

来院回数を少なく

歯の移動はマウスピースの交換で行われるため、治療が順調に進んでいれば、基本的に調整する必要がありません。ワイヤーに比べて来院間隔を長く6-12週間に設定できます。イースマイルではさらに遠隔管理システムでさらに間隔をあけることも可能です。

処置時間が短い

マウスピース矯正治療の場合、基本的に装置がフィットしているかどうかをチェックして、問題がなければそれで処置が終了します。普段の処置時間の平均は15〜30分程度。ワイヤー矯正の場合は30〜60分程度の処置時間となります。ただしこのような処置も、遠隔管理を行なっていれば、ほとんど必要なくなります。

エマージェンシーが少ない

ワイヤー矯正だと装置が外れたり、ワイヤーが飛び出たりすることがあります。そのような場合、すぐに修理しないと怪我をしたり歯が思わぬ方向に動いたりするリスクがありますが、マウスピース矯正治療だとそのような心配はほとんどありません。

痛みが少ない

マウスピース矯正治療のなかでもインビザライン(薬機法対象外)は、1枚あたりの1つの歯の移動量がコンピューターで管理されており、ワイヤー矯正に比べるとほとんど痛むことはありません。イースマイルではさらに近赤外線照射装置を併用し、痛みを減少させることが可能です。

食事制限がほぼない

硬いものやくっつくもの、ワイヤー矯正では制限される食べ物も、マウスピース矯正治療なら自由に食べられます。痛みも少ないので、特別に柔らかい食事を用意する必要はありません。

歯磨き・フロスが容易

歯磨きの時に装置を外すことができますので、歯磨きやフロスも普通に行えます。矯正治療中の歯磨き不良による虫歯や歯周病のリスクはワイヤー矯正に比べて格段に低く、歯の表面が脱灰してしまうようなこともほとんどありません。

メタルフリー

金属アレルギーの心配のある方もマウスピース矯正治療なら安心して行えます。

スポーツや楽器の演奏も自由に

サッカーや格闘技など、体がぶつかることもあるスポーツでもマウスピース矯正治療なら問題ありません。また、口に楽器を押し当てるような管楽器の演奏も、マウスピース矯正治療なら自由に行えます。

デメリット

全く見えないわけではない

アタッチメントという歯の移動コントロールのための突起がついたり、口の中のゴムが必要であったりするため、全く見えないというわけではありません。その点では裏側矯正の方が有利でしょう。

自己管理が重要

マウスピース矯正で歯を動かすのは患者さん自身です。使用時間、使用方法を守らないと治療が全く進みません。特に会食が多い大人の方や、職業上マウスピースをつける時間の制限がある、といった方はマルチブラケット装置で治療した方が良い場合があります。

症例によっては適応できない場合がある

マウスピースは歯の表面を覆って力をかける装置です。歯の高さが薄いものやきちんと覆えないような形態だと適切な力をかけることができません。

ドクターによるクオリティの差が大きい

インビザラインはここ数年の口腔内スキャナーの普及とともに、非専門医が大量に導入しました。しかし導入が簡単なだけで、治療が簡単なわけではありません。インビザラインは世界中のドクターのデータを持っていますが、玉石混交でそれをビッグデータとして使用して治療計画を自動作成しているわけではありません。アラインテクノロジー社は矯正歯科医の診断や治療方針・歯の動かし方などを、マウスピース制作に反映できるようなソフトウェアプラットフォームを提供しているだけなので、逆に言えば、ドクターの考え方や実力が如実に反映します。そこには2つの問題点があります。

  • 一つは本来矯正治療は極めて専門的な知識を要するものであり、矯正診断には専門的知識と治療ゴールに対する明確な判断と哲学が必要であること。
  • もう一つはマウスピースによる矯正治療のメカニクスはまだ体系づけられて完成しているものがあるわけではなく、経験が少ないと思ったように歯のコントロールができず、リカバリーも非常に難しいこと。

これらの点から、日本矯正歯科学会では、マウスピース矯正に対して簡単な症例しか適応ではなく、ワイヤー矯正も出来るところで治療を受けるようにというパブリックコメントを出しています。

治療期間

患者さん自身が適切に装着し、装着時間を守っていただければ、ワイヤー矯正と基本的には変わりません。デジタルセットアップにより効率的に歯を動かすため、むしろ治療期間が短くなることもあります。イースマイルではさらに近赤外線照射装置を併用し、歯茎のコンディションを整えながら治療を進めることができます。ただし、指示通りに装置を使わないと、いつまで経っても治療は進みませんので自己管理は重要です。

永久歯列期の治療の場合

およそ2〜3年

これに加えて保定期間は2年が目安です。

混合歯列初期の初期治療(インビザラインファースト)の場合

およそ1〜1年半

インビザラインの矯正治療費

永久歯列期の治療の場合

1,100,000 〜 1,400,000円

乳歯期〜混合歯列期の初期治療の場合

600,000 〜 700,000円

上記の金額は治療費の概算です。イースマイルでは毎回の処置料・管理料を含むトータルフィー制度を取っておりますので矯正治療費に関して追加の費用はかかりません。また、イースマイルの矯正治療費には遠隔管理のデンタルモニタリングシステムの費用が含まれています。

よくある質問

Q.マウスピース矯正治療(インビザライン ・薬機法対象外)による治療とは何ですか?

A.マウスピース矯正治療の中でもインビザライン・システム(薬機法対象外)は、米国アライン・テクノロジー社によって開発された、着脱可能で、目立たない、医療用熱可塑性樹脂で作成されるマウスピースを用いた矯正システムです。段階的にマウスピースを装着していくことによって、少しずつ歯の位置が動いていくようにデザインされています。ブラッシングやフロスを通常通り行うことができる利点もございます。詳しくはマウスピース型矯正装置をご覧ください。

Q.違和感や痛みはありますか?

A.マウスピース矯正治療(インビザライン ・薬機法対象外)の場合、当院から指定する使用時間を使用していただくと痛みはほぼございません。また、近赤外線照射装置を併用すすることで、細胞を活性化して歯を動かすことが可能です。詳しくは近赤外線照射装置をご覧ください。<

Q.歯型取りが苦手です。iTeroスキャニングだけで治療できますか?

A.マウスピース型矯正装置(インビザライン ・薬機法対象外)を作るための歯型取りはiTeroスキャニングだけでできます。その他の装置を作るときは、通常の歯形取りが必要な場合があります。

Q.食べてはいけない物、飲んではいけない物はありますか?

A.基本的になんでも食べていただけますが、アタッチメントが外れるリスクがありますので、あまり固いものは避けていただいた方が良いかもしれません。
ただ、基本的にマウスピースをはめたまま、食べたり飲んだりするのはやめてください。特に砂糖の入った飲料(ジュース、缶コーヒー、スポーツドリンクなど)はマウスピースをはめたまま飲まないでください。歯の表面が溶けてしまいます。マウスピースをはめたまま飲んでも良いのは水やお茶などです。ただしお茶や砂糖の入っていないコーヒーなどでマウスピースが染まることがあります。

Q.通院回数、頻度はどのくらいですか?

A.使用装置によって異なりますが,だいたい1〜2ヶ月に1回程度の通院です。遠方の患者さんで頻繁に通えないという方はモニタリングシステムを使うことで3ヶ月に1回程度に抑えることもできますのでご相談ください。イースマイルには九州や関東・四国、中には北京から通院されている患者さんもおられます。

Q.矯正治療にかかる期間はどれくらいですか?

A.マウスピース矯正治療(インビザライン ・薬機法対象外)の場合は、初期治療は1-1年半。永久歯列に変わってからの仕上げの治療は通常2〜3年です。永久歯列期の治療や大人の治療に近赤外線照射装置を併用すれば、6ヶ月程度で終わることもあります。治療の難度にもよりますのでご相談ください。

Q.治療中に虫歯になったらどうなりますか?

A.当院は矯正治療専門のため、一般歯科もしくは専門医へ処置の依頼をさせていただきます。必要であれば一度装置を外します。虫歯の早期発見と、虫歯になるリスクを減らすためにプロによる機械的なクリーニングを定期的に受けられることをおすすめします。当院でも定期的なクリーニングを受けていただくことは可能です。

Q.結婚式で一度装置を外すことができますか?

A.ご要望に応じて歯の表面につけているアタッチメントを外させていただきます。ただし、装置の付け外しは別途費用が発生致します。

Q.後戻りはしませんか?

A.人の歯は一生その位置が変化しますので、矯正治療後の歯ならびが全く変化なく固定されるという事ではありません。特に装置を外した直後は歯はもとの位置に戻ろうとします。矯正治療後、取り外しの装置(保定装置)を使っていただく事で、後戻りを防ぎます。保定装置をきちんと使わない場合は後戻りのリスクが高くなります。イースマイルでは、保定装置をきちんと使っていただいているにも関わらず、その2年の間に後戻りが起こった場合、無料で再治療をさせていただいております。

関連ページ

初診のご案内

歯並び、噛み合わせで気になること、
費用や治療方法で気になることなどなんでもご相談ください。

初診コンサルテーション 所要時間 : 約60分
当日精密検査を受けられる方は、初診コンサルテーションが無料。

初診コンサルテーションの
ご案内はこちら