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ENGLISH歯列発達のための装置（Arch Development）
装置について
主に成長期で使う装置で、成長変化を促し、思わしい方向へ誘導していきます。主な動きは拡大と遠心移動です。歯の移動と骨の移動を組み合わせて、時にMAGICと呼ばれる大きな変化を得ることができます。
上顎歯列拡大装置、MEA (Maxillary Expansion Appliance)について
固定式のものと可撤式のものがあります。イースマイルでは確実に拡大させるために固定式のものを使用することが多いです。固定式のものにはHaasタイプ、Hyraxタイプ、MEAがあります。
Haas（ハース）
概要
1961年、Haas先生が開発した上顎の固定式拡大装置。アクリルのプレートで粘膜を覆って上顎全体を広げます。主に混合歯列前期（小学校低学年から中学年）で使い、乳臼歯にバンドをして、歯の傾斜だけでなく骨格自体の変化による拡大を期待します。装置のネジ穴を、患者さんもしくは保護者の方に回していただくことで、少しずつ歯列を広げます。
利点と欠点
乳歯にバンドをすることで、永久歯歯根への影響を与えずに拡大することができます。
アクリルパッドの裏側が汚れやすく、清潔性に問題が出ることがあります。
イースマイルでは
当院では初期治療で使用します。永久歯の生え変わりの時期に歯列をしっかりと成長させておくことで、永久歯のスムーズな生え変わりやよりよい成長変化を促進します。
Hyrax（ハイラックス）
概要
1968年、Biederman先生が発表した固定式の拡大装置です。正式名は、Hygienic rapid expanderで、Haasの欠点である清潔性を改良し、アクリルパッドを無くしたものです。
機構はHaasと同じく、口蓋正中部分のネジを患者さんもしくは保護者の方に回していただくことで少しずつ歯列を広げます。
利点と欠点
Haasの様にアクリルパッドで口蓋を覆わないので、比較的清潔です。小臼歯と大臼歯にバンドするのでしっかりと固定され、歯と骨と両方に力をかけることができます。それゆえOrthodonticにもOrthopedicにも効果を期待できます。ただし、歯に対する影響も大きいので、歯槽骨の薄い患者さんには歯肉退縮のリスクがあります。
イースマイルでは
成長期前の歯列発育を期待する方や、歯槽骨の厚みがしっかりとある方で使用します。このHyraxは正式名称でrapid expanderと言われている通り、急速拡大に使用されることも多いのですが、歯列発育に使う場合は非常にゆっくりと拡大し、同時にヘッドギアも用いて歯列発育をさせていきます。
Head Gear（ヘッドギア）
概要
上顎臼歯・上顎骨を後方に位置付けるための可撤式顎外固定装置です。頭もしくは首で固定して歯列に力を伝えます。基本的に、臼歯を後方へ動かす装置ですが、ハイプルからロウプルまで、装置の設計によって歯を圧下したり挺出させ、噛み合わせの角度をコントロールします。
利点と欠点
スクリューなどを使わなくてもしっかり奥歯を奥に寄せたり、垂直的なコントロールができます。口の外に大きく出る装置ですので家の外では使いにくいものですが、少なくとも一日10時間以上、就寝時や在宅時に使う必要があります。患者さんの使用時間が足りないと全く効果を発揮しません。
イースマイルでは
発育期の患者さんで、時間をかけて歯列を発育させたい時に使います。時にMAGICと呼ばれる様な効果を発揮するのはこの装置のおかげです。また、就寝時の姿勢も顎の発育に影響するため、ヘッドギアをつけることでうつ伏せ寝などを防ぎます。
Lip Bumper（リップバンパー）
概要
Lip Bumperの目的は筋肉の再教育による下顎歯列の発育です。患者さんの歯列より、少し大きいアーチのワイヤーが、口の周りの筋肉を再教育します。歯の外側にある頬筋・口輪筋と、歯の内側の舌による圧力のバランスを変化させ、下顎歯列のアーチフォームは自然に変化していきます。さらに装置に口唇圧が加わることで大臼歯が3次元的に整直していきます。MOOによる歯列発育の要となる装置です。
利点と欠点
１本のワイヤーで大きな変化を得ることができ、違和感もほとんどありません。
欠点としては、臼歯のバンド周りが汚れやすく、虫歯になりやすくなってしまいます。また大人ではなかなか自然な変化は得られません。
イースマイルでは
思春期成長前の歯列発育のために使います。歯を動かす装置を使う前に、こうした歯列発育を行うことで、より安全で予知性のある非抜歯治療を行うことができます。大人の方ではBASを併用して、積極的な下顎臼歯の遠心移動を行います。
