ドクター紹介
大阪梅田・四天王寺のイースマイル国際矯正歯科では、院長の有本のほか複数のドクターが診療に携わっています。矯正専門歯科医師としての知識・技術・経験を持ち、日々研鑽を怠らず、患者さんと向き合っております。ここでは、院長の有本について詳細をご紹介します。他のドクターについては、ご予約時にお知らせする患者さん専用サイトでご紹介しています。
略歴
- 1966年
- 和歌山生まれ
- 1985年
- 清風南海学園高校卒
- 1991年
- 大阪歯科大学卒 歯科医師免許取得
- 1995年
- 同大学院卒(歯科矯正学 歯学博士)
- 1996年
- 日本矯正歯科学会認定医取得
- 2001年
- イースマイル矯正歯科(大阪市天王寺区)開設
- 2013年
- 芦屋イースマイル矯正歯科(芦屋市)開院
- 2016年
- 医療法人イースマイル国際矯正歯科 法人化
- 2024年
- 大阪梅田イースマイル国際矯正歯科 開院
所属学会・役職など
- 日本非抜歯矯正研究会 マスター会員・インストラクター
- アングルソサエティ(EHASO) レギュラーメンバー
- アメリカ矯正歯科医会(AAO) 会員
- ヨーロッパ矯正歯科学会(ESO) 会員
- ヨーロッパアライナー矯正学会(EAS) 会員
- ドイツアライナー矯正歯科学会(DGAO) 会員
- 世界矯正歯科医連盟(WFO) 会員
- アラインテクノロジー社 ファカルティ
- スイス Biolux Research社クリニカルアドバイザー
- フランス Dental Monitoring 社アンバサダー
いい治療を求め続けて
矯正治療はデザインする仕事
歯学部に入ったとき、比較的手先が器用だった私は学生実習でフルブリッジのワックスアップを経験させていただくことになりました。上顎歯列全ての歯をワックスで一生懸命作り、担当患者さんに綺麗に入った時はすごい達成感がありました。教官からも褒めていただきました。しかし、その時私は、むしろがっかりしたのです。天然歯列に勝るものはないと感じたからです。
一般の歯科治療は元通りに修復する仕事で、矯正治療は素材(歯列)を活かして新しいものをデザインする仕事だという思いが募り、矯正科の大学院に進みました。
※ ワックスアップとは、将来的な被せ物の形態や位置、かみ合わせを診断するための歯列模型のことです。
グリーンフィールド先生との出会い〜非抜歯治療への挑戦
大学院では歯科矯正学の基礎を学びつつ、実験などで毎晩遅くまで大学に残り、ようやく卒業して認定医をとる頃、アメリカ矯正治療の第一人者であるグリーンフィールド先生(Dr.Raphael L.Greenfield)の初来日講演を聞いて文字通り衝撃を受けました。
当時、小臼歯抜歯でしか治せないだろうというような症例が、当たり前のように非抜歯で綺麗に治っている。私自身は小臼歯抜歯で矯正治療を受けています。グリーンフィールド先生のCADテクニックはこれまで見たことのないものであり、もしこれが日本にもっと早く広まっていれば、私は抜歯されずに治療できたのではないか? その翌年、グリーンフィールド先生に手紙を書いて、フロリダにある先生のクリニックに見学を申し込みました。初めてのアメリカでした。英語もままならない日本人の青年をグリーンフィールド先生は3日間、朝から晩まで見学させてくれました。そしていよいよこのテクニックを体得すべきだと思い、翌年日本非抜歯矯正研究会を立ち上げ、グリーンフィールド先生のコースの手伝いをさせていただきながら、何度も何度も繰り返し学ばせていただきました。
アングルソサエティに推薦いただく
とはいえ、この非抜歯治療について多くの専門医に伝えようとすればするほど、多くの批判を受けることになります。それは当時の矯正の考え方とあまりに違っていたからです。有名な大学教授や高名な臨床家から、非抜歯などとんでもないと名指しで批判を受けました。そんな中、アメリカ矯正歯科医会(AAO)から招待講演をさせていただいたり、同じくテーブルクリニックで最優秀アワードを受けたり、研究会の同志である賀久浩生先生、篠原範行先生との共著「非抜歯矯正治療 Molar Oriented Orthodonticsの実際」を出版することで、徐々に認められるようになってきました。そして、会員の推薦がないと参加することすらできない、世界で最も伝統ある矯正専門医の会である、アングルソサエティの会員になることができました。ご推薦いただいた小山先生、浅井先生、そして保証人になっていただいたアレキサンダー先生には感謝してもしきれません。
アングルソサエティは、現代矯正学の父と言われるEHアングル先生の門下生たちが作った学会で、それこそ矯正学の教科書に載ってるような先生や有名臨床家の集団で、日本人は20人余りしかメンバーになっていません。
そこで学んだことは私のその後の臨床を大きく変えていきます。
歯周再生処置を併用した矯正治療
アングルソサエティで発表されていた歯周再生処置を併用した加速矯正の方法は、歯周組織が痩せてしまった患者さんの治療を安全に行う画期的な方法です。歯周病医と矯正歯科医のウィルコ兄弟が開発し、ウィルコドンティックス、PAOO (Periodontally Accelerated Osteogenic Orthodontics)と呼ばれています。エリー湖のあるエリーというアメリカの小さな都市で、ウィルコ兄弟のセミナーを受けて以来、歯周病専門医の浦野智先生と連携させていただいており、従来の治療ではなし得なかった治療ができるようになりました。
TADを応用した顎整形治療
成長期の受け口の治療で衝撃を受けたのも、アングルソサエティで発表されていたクラーク先生のBollard Plateでした。従来、思春期成長前の骨格的な受け口は、治療をせずに成長が終わるまで待って外科的矯正をするというのがセオリーです。デクラーク先生は、思春期成長期にBolard Plateを使って、後に外科的治療をするよりもはるかに良くなったと思える症例を見せてくれました。これも講演を聞いた翌年、ブリュッセルのDeClerk先生のオフィスに出向き、直接指導をいただきました。また、ミニスクリューを併用した拡大装置であるMSEとフェイスマスクを組み合わせて、骨格にアプローチする方法も開発者のムン先生から直接学びました。これらは顎整形治療と呼ばれ、従来の矯正治療と組み合わせることでより理想的な治療ゴールを設定することができるようになりました。
オーラルパワー:機能性・審美性・持続可能性バランスの最大化へ
このような様々なテクニックへの挑戦の中で、本当にいい治療とは何か?を深く考える機会となったのもアングルソサエティです。
アングルソサエティでは毎年症例報告をしなければなりません。会員の先生方にはアレキサンダー先生やボーレイ先生といった「レジェンド」の先生が、術後10年は当たり前の、術後20年とかのケースを出されます。矯正治療後、どれだけ安定しているのかは、矯正治療のクオリティの重要な指標です。単に歯をならべるだけではない、真に価値ある矯正治療結果をたくさん見ることができ、多くの先生とディスカッションできることは、本当に貴重なことです。そんな中、「オーラルパワー」という基本概念が生まれました。矯正治療をすることによって、機能性と審美性と持続可能性のバランスを個別化し、最大化するというコンセプトです。こうして「オーラルパワー」が私の矯正治療の大きな目標となったのです。
アライナー矯正への挑戦
「いい治療とは何か」を追求してはきましたが、やはり治療中の審美性を求める患者さんの要求も無視できません。そこでこの10年は、MOOのクオリティをアライナーで達成できないかということに挑戦してきました。アライナー矯正のリーディングカンパニーであるアラインテクノロジー社のインビザラインを使い、ほとんどの症例をアライナーを使っていい治療結果を残すという挑戦です。アライナーとワイヤー矯正は、メカニクスが全く違うので、ワイヤーできちんと治せてもアライナーで治せるとは限りません。これも海外の方が治療が進んでいるため、ドイツやアメリカなどの学会に参加して最新情報を学ぶようにしました。程なくアラインテクノロジー社にファカルティとして迎えられ、様々な製品に対するアドバイスなどをさせていただいています。今ではほとんどの症例をアライナーで治療を行っています。
MAOアカデミーの立ち上げと指導を通して
アライナー矯正は、口腔内スキャナーさえあれば簡単に開始することができる治療方法です。昨今、その弊害として、矯正の基本すら学んでいないドクターが多くの症例に手をつけて、クオリティの低い矯正治療が蔓延するという事態になっています。 そのような状況を憂慮し、同志の賀久浩生先生と共に、MOOのクオリティをアライナーで実現するMAO (Molar Oriented Aligner Orthodontics)アカデミーを立ち上げ、クオリティを重視したアライナーについての学校を主宰することにしました。 日本は薬事法の関係で、アライナー矯正は世界から2周回くらい遅れています。最新の情報も踏まえて、きちんとしたクオリティのアライナーの治療法を広めるのは私の使命の一部だと思っています。
イースマイル国際矯正歯科が目指すもの
矯正治療は専門性の非常に高い治療法です。
矯正治療とは、単に歯を並べる治療ではありません。個々の骨格や歯茎の状態、歯の素材などを見極めた上で、成長と加齢の変化に応じた持続可能な的確なゴールを設定する必要があります。そして、そのゴールを実現できるような、安全で確実な専門的技術を駆使する必要があります。
イースマイルは、矯正専門のクリニックとして、いい治療を、安心して受けることができる場所にしたいと思っています。そして、その治療過程が楽しい思い出になるような、多くの知識が学べるような環境で、チームでサポートされるようなところにしたいと考えています。まだまだこれからも挑戦は続きますが、矯正治療が多くの患者さんのオーラルパワーを高め、未来を明るく変えることのできるようなものにするため、これからも変化を恐れず、変化を楽しみたいと思っています。
プロフィール
1996年よりグリーンフィールドコースインストラクター。日本矯正歯科学会認定医取得。日本非抜歯矯正研究会設立発起人。グリーンフィールドのCADシステムを発展させたMOO(Molar Oriented Orthodontics)という診断と治療の体系を確立し、医歯薬出版より『非抜歯矯正治療- Molar Oriented Orthodonticsの実際』を刊行。
2000年世界矯正歯科医機構Fellow認定。
2002年アメリカ矯正歯科医会フィラデルフィア大会招待講演
同年、日本非抜歯矯正研究会がJoseph E. Johnson Table Clinic Award受賞。
2004年第1回イタリア非抜歯矯正学会招待講演。
2005年 Wilckodontics(PAOO)セミナー認定。
2007年 セトリンフィロソフィー国際会議講演。
2008年 EH Angle Society Regular Member 認定。
2013年第8回九州矯正歯科学会学術大会特別講演。
2015年第41回アングルソサエティ2年次総会講演。
日本、イタリア、韓国、インド、香港などで非抜歯矯正MOOセミナーを開催。
2014年よりマウスピース矯正治療(インビザライン・薬機法対象外)を用いたMOOの治療、近赤外線を併用する矯正治療を開始。これらをテーマにアメリカ矯正歯科医会、ドイツアライナー矯正学会、フランスアライナー矯正学会、台湾アライナー矯正研究会、韓国矯正歯科学会、日本成人矯正歯科学会などで講演。
テーブルクリニック最優秀賞
(日本非抜歯矯正研究会として受賞)
2017年アラインテクノロジー社の Invisalign Clinical Speaker に認定。
2019年よりインビザラインジャパン社ファカルティとなる。
EZアタッチメント、EZマウント、パワーボタン発明者
講師活動
- 1996-2003
- Dr. Greenfield CADテクニックコースインストラクター
- 2004-2007
- CADセミナーベーシック・アドバンスコースインストラクター
- 2005-2009
- Napoli大学にてCADセミナー
- 2005
- キョンヒ大学にてCADセミナー
- 2007, 2008
- インドチェンナイにてCADセミナー
- 2007-2017
- MOOセミナー
- 2018
- MOOセミナー
- 2021
- MAO Academy
著書
『非抜歯矯正治療 - Molar Oriented Orthodonticsの実際(医歯薬出版 2011)』共著者
有本博英・賀久浩生・篠原範行 著/医歯薬出版 有本が師事して来たグリーンフィールドのCADテクニックを、3人の盟友とともにMOOテクニックとしてまとめた、本格的非抜歯矯正治療に関する日本唯一の著書。
『一歩抜け出す未来志向の歯科医ライフ(医歯薬出版 2014)』共著者
有本博英・賀久浩生・篠原範行 著/医歯薬出版 日本人=歯が悪い、というのは海外の常識。なのに日本では歯科医師過剰と言われています。日本人の歯を美しくするのは日本の歯科プロフェッショナルたちの仕事。若手歯科医師向けに書かれた、これからの歯科医ライフを楽しむための本。
主な論文など
- KAKU JK., ARIMOTO H., SINOHARA N., GREENFIELD RL. Use of Tip-Edge brackets to reduce posterior anchorage requirements after molar distalization. Journal of Clinical Orthodontics. 2004; 38 (4); 320-324.
- 有本博英、賀久浩生、篠原範行. Molar Oriented Orthodontics 歯界展望12回連続掲載 2009 113(1)-114(6)
- 有本博英,覚道健治.歯科矯正治療における技術革新と顎変形症治療におけるパラダイムシフト - 顎変形症治療におけるミニマルインターベンション -.顎変形誌24(4)285-297, 2014
- 有本博英. MOOにおける成長期II級治療の考え方. 矯正イヤーブック2015.
- 有本博英. 病的歯牙移動と歯槽骨不足の上顎前突2例. 矯正イヤーブック2016.
主な講演など
- American Association of Orthodontist 102nd Annual Session (2002/5/6 Philadelphia)
『Molar Position, Transverse Dimension, Nonextraction Treatment - Update of Celtin Philosophy (臼歯の位置づけ、横断方向、非抜歯治療 - セトリンフィロソフィーのアップデート)』 - First International Congress La Terrapin Non Estrattiva secondo Norman Cetlin(2007/6/1 Napoli)
『Una peculiará della Filosofia di Celtic: l’effetto anti-invecciamento conseguente alla strategia orientata dai molari Insight of Celtic Philosophy: Anti-Aging Effect followed by Molar Oriented Strategy (セトリンフィロソフィーの考察:臼歯を中心とした戦略によるアンチエイジング効果)』 - 第24回日本舌側矯正学会シンポジスト(2012/11/23 大阪市)
『ライフステージからみた不正咬合治療におけるPAOOの意義について(The significance of PAOO for the treatment of malocclusions relevant to the life stage.)』 - 第8回九州矯正歯科学会学術大会特別講演(2013/2/3 北九州市) 『サステイナブルな矯正治療(Sustainable Orthodontics)』
- 第23回日本顎変形症学会総会シンポジスト(2013/6/23 大阪市)
『歯槽骨欠乏を伴う顎変形症に対する歯周的骨造成のアプローチ(Periodontally Osteogenic Approach for Jaw Deformity of Alveolar Bone Insufficiency. )』 - 日本アンチエイジング歯科学会第9回学術大会(2014/5/18 大阪市) 『アンチエイジング矯正の概念(The Concept of Anti-Aging Orthodontics)』
- 第1回日本アライナー矯正歯科研究会(2014/12/4 東京大学)『アライナーにできること、ワイヤーにできないこと』
- The Edward H. Angle Society 41st Biennial Meeting (2015/9/26 Pasadena)『The significance of PAOO for the treatment of malocclusions relevant to the life stage. (ライフステージからみた不正咬合治療におけるPAOOの意義について)』
- Biolux Research (2016/2/29 香港) 『Introduction of Light Accelerated Orthodontics. (光加速強制の導入)』
- Taiwan International Symposium of Aligner Orthodontics
- Deutsche Gesellschaft für Aligner Orthodontie 4. Wissenschaftlicher Kongress für Aligner Orthodontie (2016/11/18 Köln)
- 『Clinical Tips for Accelerated Aligner Orthodontics (加速矯正治療における臨床的ヒント)』
- la Société Française d'Orthodontie par Aligneurs (2017/4/7 Paris) 『Racing car that drives by amateur - 3 Clinical Tips for Accelerated Aligner Orthodontics(加速強制治療における3つの鍵)』
- Taiwan Aligner Association of Orthodontics (2017/8/20 台北)『Fall seven times, get up eight.』
- TipEdge研究会特別講演(2017/8/27 大阪)『エッジワイズからティップエッジへ。そしてアライナーへ。』
- Biolux Research 講演 (2017/11/20,21 香港)『光加速矯正の実際』
- Biolux Research 講演 (2017/11/27 シンガポール)『光加速矯正の実際』
- 台北大学同窓会 Memorial Lecture of Professor Chen Kun Chih 1日講演(2018/8/26 : Howard Civil Service International House 台北)『Accelerated Molar Oriented Aligner Treatment』
- インビザラインフォーラム講演(2018/9/9 東京)『アライナー矯正におけるバーティカルコントロールについて』
- 日本インプラント臨床研究会(2019/3/10 京都)『インビザラインでできること、できないこと。変わること、変わらないこと。』
- Memorial meeting of 55th & Anniversary Dental School UAEMex (2019/6/10 Toruca city, Mexico)『Photobiomodulation with Aligner Treatment』
- Turkish Aligner Society Congress (2020/5/2 オンライン)『What’s Aligner Can Do and Wire Can Not』
- Centre for Advanced Professional Practices (2021/3/10 オンライン)『Tele-Orthodontics - Moving your practice forward with AI』
- 先進矯正歯科学会 (2022/1/30 早稲田大学 国際会議場 井深大記念ホール)『デジタルに翻弄される矯正歯科界とデジタルで揺さぶりをかける矯正歯科治療』
- Aligner Radio (2022/6/15 オンライン)
- 日本成人矯正歯科学会 (2022/6/26 東京)
- 日本頭蓋顔面外科学会シンポジウム (2022/22/18 名古屋)『患者が気にする顔貌、歯科医が治したい咬合』
- 日本舌側矯正学会 (2022/11/23 名古屋)『矯正歯科医が操る”フォース”としてのアライナー型矯正装置』
- 先進矯正歯科学会 (2023/1/28 早稲田大学 国際会議場 井深大記念ホール)『成人矯正における顎整形的治療の効果』
- 日本デジタル歯科学会2022年度冬季セミナー(2023/2/8 オンライン)『アライナー治療成功の条件』