噛み合わせが深すぎる- 過蓋咬合
過蓋咬合について
上下顎前歯のかぶさりが深い状態で、下の前歯が隠れてしまっている状態のことを言います。
過蓋咬合には様々な原因があります。
上下の前歯が伸びていることで生じることがあり、上顎前歯が大きく伸びている場合は、ガミースマイルになったりすることもあります。
また、下顎の奥歯が内側に傾斜して、奥歯の高さが足りないことでも生じます。
治療例 #01
上顎前突と過蓋咬合を、上顎大臼歯抜歯と歯槽骨再生を応用して治療した症例
- 矯正治療前
- 矯正治療後
- 治療開始時年齢
- 26歳7ヶ月
- 主訴
- ガタガタ
- 診断
- 重度の叢生を伴うアングルⅡ級1類、過蓋咬合
- 治療内容
- 根管治療をしている上顎両側第一大臼歯を抜歯してMulti Bracket Systemにて隙間を閉じ排列した。TPAにて上顎歯列を拡大した。 LBにて下顎臼歯を整直した後に、下顎前歯部歯槽骨が薄いため前歯部にPAOOを行い、Multi Bracket Systemにて治療。
- 治療装置
- TPA, Multi Bracket System(TipEdge+), LB, PAOO
- 治療期間
- 2年
- リスク
- 矯正治療による歯の移動に伴う痛み、歯根吸収、歯肉退縮
- 費用
- 928,800円(税込)
- 院長コメント
- 上下顎ともに重度の狭窄があり、前歯部は過蓋咬合になっています。下の歯が前から全く見えない状態です。上顎第1大臼歯に根管治療がなされていて、あまり良い状態ではなかったので、これを抜歯しそのスペースを利用して上顎歯列を配列しました。根管治療は日本では保険でできるのですが、クオリティが低いことが多く、ちゃんとした治療をされるなら自費の根管治療専門の先生にかかることをお勧めします。下顎は非抜歯で行いましたが、下顎前歯を前方に位置付ける必要があったため、歯槽骨再生を、歯周病専門の先生に行っていただきました。通常下顎前歯を前方に位置付けると後戻りしやすいと言われていますが、適正な咬合バランスと歯周組織の強化で術後8年経っていますが極めて安定しています。
治療例 #02
重篤な過蓋咬合を小児からコントロールし、最終的にインビザラインで治療した症例
- 矯正治療前
- 矯正治療後
- 治療開始時年齢
- 11歳9ヶ月
- 主訴
- 噛み合わせが深い。真ん中がずれている。
- 診断
- Angle Class II Deep bite
- 治療内容
- 上臼歯関係が左右でずれており、100%過蓋咬合の状態。成長期なので、臼歯関係を治しながら成長を観察し、同時にスペースの問題を解消するためにアーチデベロップメントを行なった。 臼歯の遠心移動をGMDで積極的に行なった後、マルチブラケットで配列予定であったが、ラグビーを始めたため、怪我のリスクを避けてインビザラインに移行。成長変化を見ながらアーチの発育を行なったためにトータル治療期間は長くなったが、インビザライン治療は2年2ヶ月であった。臼歯関係も改善され、正中も一致した。
- 治療装置
- ACCO, Head Gear, Lip Bumper, GMD, Multi-Bracket (Tip-Edge Plus),Invisalign
- 治療期間
- 6年3ヶ月
- リスク
- 歯の移動に伴う痛み、長期にわたる治療による歯根吸収、むし歯リスク
- 費用
- 770,000円(税込)
- 院長コメント
- 初期治療から始め、インビザラインで終了した症例。噛み合わせが深く、正中の大きなずれがあったが、臼歯のコントロールを行って治療を終了。矯正治療は子供の頃から初め、大人になるまで治療が続きましたが、患者さんと一緒に成長と治療を楽しみながら過ごせるのが良いですね。