ぜんぜん大丈夫じゃなくても、『大丈夫。』
有本 博英 矯正歯科医
2013.05.11
こんにちは、有本博英です。
今年のアメリカ矯正歯科医会はフィラデルフィアで開催されました。その帰りの飛行機は、フィラデルフィア – ワシントン – 成田 – 伊丹、というルートだったのですが、ワシントンでの乗り継ぎが約1時間というちょっと厳しいスケジュール。
絶対遅刻しないように(私は過去3回遅刻して乗れなかったという前科あり)、2時間半前にはフィラデルフィアの空港についてゲートで待っていて、ふと案内板を見ると、フィラデルフィア発の便が30分遅れている。
うーん、乗り継ぎが30分しか無くなるのか、ちょっと厳しいなー。
で、しばらくすると、40分遅れに案内板が変わっている、、、。
20分の乗り継ぎでちゃんと成田便に乗れるのか?人は走っていけても荷物はまず無理じゃないの?と思って、カウンターへ。
ワシントン便遅れているみたいだけど、僕たち日本人15人のグループで成田便乗り継ぎ大丈夫?と聞くと、
『大丈夫大丈夫。問題ない。』
という返事。
さらに本当に大丈夫か?と聞くと、
『大丈夫だよ。20分あるからね。』
と、自信たっぷりの返事。
大丈夫というんなら大丈夫だろうと思っていたら、さらに案内板は60分遅れ、つまり、ワシントン到着時間が成田便の出発時刻に!
再び、カウンターに行って、どうなってるの?と聞くと、
『You should be fine. No problem.』
荷物もあるけれど本当に大丈夫なの?と聞いても。
『It’s OK.』
さすがに怪しいと思って、「僕は明日日本に帰れなかったら患者さんをキャンセルせざるを得なくなるんだ、本当に大丈夫なのか?成田便は待っていてくれるのか?」と詰め寄るも、You should be fine.の一点張り。
で、結果は、、、
やっぱりワシントンに着いた時には既に乗れず、ワシントンでもう一泊する事に、、。
やっぱり乗れんかったやねーか、おまえらわかってたはずやろ!なんや思とんねん!と大阪弁EngRishで言いたかったところですが、このフィラデルフィアのカウンターの対応、『大丈夫』、と言われてしまうとこっちもどうしようもないんですよね。
現場サイドでどうしようもないという、こうした状況は航空会社ではよく起こりうる状況なのでしょう。そのような時に客に対して、わからないとか、多分大丈夫とか、ちょっと無理かもなんて事を言っていると、おそらくすぐにカウンターの前は黒山のクレーマーになるでしょう。そんな時にYou should be fine. はとても有効な返事なのだろうと思います。だってどうしようもないんだからね。
それよりもワシントンで対応をきちんとするしかないわけです。ある意味このYou should be fine. と断言する事は、今後顧客に起こりうるであろう事を見据えた上でのnecessaryかつbestな対応だったのかもしれません。。
医療でも、ちょっと一時的に痛むような処置をする必要がある時に、もちろん説明する必要はあるのですが、いたずらに「痛い」という事を強調する必要はない。特に子供で不安がってるような場合に、『痛い?』と必ず聞いてきますが、『君なら大丈夫だよ』と断言してあげることが必要で最善の答えになります。今回の航空会社の対応はまさにそれだったわけです