包丁でてっさは作れませんよね?
有本 博英 矯正歯科医
2017.02.20
こんにちは、有本博英です。
河豚のおいしい季節ですね。別府で勉強会をするときはいつも兼子先生にお世話になって連れっていただくのですが、もう最初に出てくるこのてっさで幸せ満開になりますね。透き通るほど薄く、お皿の模様が浮かび上がりとても綺麗です。
ところでこのてっさ、板前さんが包丁一本でつくってるわけですけど、皆さんつくれます?なかなかこれだけ薄く綺麗に切るのは難しいですよね。僕にはとても無理です。まぁ世の中ほとんどの人は、無理だと思います。
でもだからと言って、『包丁でてっさはつくれない』なんていう人はいませんし、そんなことをウェブサイトに書く人もいません。
ところが先日矯正治療を検討中の患者さんから、『インビザラインで歯体移動は無理ですよね?』と言われたのです。歯体移動というのは歯の移動様式のことで歯根もしっかり移動させる様式のこと。要するにインビザラインでは歯を傾斜させるだけで、ちゃんと治せないというようなことをどこかの医院のサイトに書いてあったようです。
包丁も、インビザラインも一つの道具にすぎません。包丁でてっさを作れない人もいれば、作れる板前さんもいます。インビザラインで歯体移動をできない人もいれば、できる矯正歯科医もいます。
道具は所詮道具にすぎません。人が治療するのであって、道具が治療をするのではない、ということです。
ではでは。