妊婦さん必見!〜 妊婦と歯周病 について〜
今西 麻里江 歯科衛生士
2019.11.26
みなさん、こんにちは。
衛生士の今西です。
『 妊婦と歯周病』の関係性とは?
「 妊娠していると歯ぐきから出血しやすい?」
そう思われる方もおおいのではないのでしょうか。
実は妊婦と歯周病はとても大きく関係しており、 その罹患率は、66〜98%といわれています。
では、なぜ歯周病になってしまう可能性が高いのか?
その原因は以下の4つが挙げられます。
妊婦さんが歯周病に罹患してしまう4つの原因
①ホルモンバランスの変化
妊娠すると、エストロゲンやプロゲステロンと呼ばれる女性ホルモンが普段の10〜30倍増えるといわれています。
歯周病菌の中にはこの女性ホルモンを好んでエサにする菌がいるため、歯周病菌も増えます。
歯周病は歯と歯ぐきのすき間の歯周ポケットと呼ばれるところに歯周病菌がたまることで起こり、特に歯と歯の間の歯周ポケットから進みます。
歯と歯の汚れは歯ブラシではなく、フロスでないと取り除くことができません。
フロスで歯と歯の間の歯垢をしっかり除去しましょう。
②唾液量の減少
唾液には、自浄作用(自身で口腔内の汚れを洗い流す作用)があります。
しかし妊娠することによって唾液量が減り、質もネバネバした唾液となり、細菌が増えてしまう原因となります。
100%キシリトールガムを噛むと唾液量も増え、歯周病菌の栄養にならないのでおすすめします。
1日の目安は3〜5粒です。
③つわり
つわりの程度は人それぞれですが、歯磨きをするだけでも気持ち悪くなる人もいます。
それにより、十分な歯磨きができなくてブラッシング不足となります。
ヘッドの大きい歯ブラシはしんどいかと思うので、ヘッドの小さい歯ブラシを使用して、普段より歯磨きをしっかりしましょう。
④免疫力の低下
脳がお腹の中にいる赤ちゃんを『異物』と判断しないように、妊娠中は身体の免疫力が下がります。
これによって、歯周病菌に対する抵抗力も下がり、歯周病にかかりやすくなります。
妊娠初期から、定期的な歯科検診やクリーニングを怠らないようにしましょう。
参考文献
・『 妊婦 の口腔内健康状態とPrevotella intermediaの妊娠への影響』
・『妊産婦の口腔環境変化に関する疫学研究』
・『 妊婦の歯周病と早産についての文献検討』
現在妊娠中の方、周りに妊婦さんがいる方、これから妊娠を考えていらっしゃる方、妊娠中でも頑張って矯正治療をされている方へ楽しいマタニティライフを送っていただくために、 妊娠中の歯周病ケアをお勧めします。
妊娠中の歯周病は、お母さんだけではなく、早産や未熟児の出産などお腹の赤ちゃんにも大いに影響します。
お腹の赤ちゃんのためにもお母さんのためにも、家族みんなでお口の中のケアをしっかりしましょう。