子供の矯正治療 〜初期治療について〜
金 里香 トリートメントコーディネーター
2019.11.26
こんにちは。
トリートメントメントコーディネーターの金です。
今回は子供から始める矯正治療についてお話したいと思います。そろそろ学校でも歯科検診が始まり、結果用紙の歯並び部分に要チェック✔︎がついていたりしませんか?
- まだまだ乳歯があるけどすぐに矯正治療を始めるべき?
- 大人の歯になってからでは遅い?
今から始めるとどれくらいの期間がかかるの?
などといったいろんな疑問が出てくるかと思います。
そんな皆さんの疑問にお答えできればと思っております。
子供の矯正治療の流れ
下記の図のように子供の矯正治療では、
初期治療 → 経過観察 → 二期治療 と、患者さんの状況に応じて必要な時に必要な分だけの治療をステップを踏んで進めていきます。
乳歯の残る6から8歳くらいの子供の頃から初期治療として矯正治療がはじまり、途中経過観察の期間を経て、再びⅡ期治療としての仕上げの矯正治療が始まるのが一般的です。
STEP1の初期治療について
3歳から小学校低学年のこの時期に矯正歯科を受診する大事な目的は、まだ埋まっている永久歯の位置や方向は正しいか? 余分な歯(過剰歯)などが邪魔していたり、欠損歯がないか? ということを検査をして、スムーズな歯の交換ができるようきちんと対処しておくことです。
もし、皆さんのお子さんの歯並び、噛み合わせの状態が以下のようなものであれば、ぜひ受診をお勧めします。
【叢生〜ガタガタな歯並び〜】
- 永久歯に萌え揃った上顎の前歯4本がガタガタである。
- どう考えても前歯4本が萌え揃うスペースがない。
通常幼児期の成長とともに上顎の幅も広がるように成長しますが、なんらかの原因で成長が追いついていない場合に、前歯4本が揃うためのスペースが不足します。初期治療では、その成長を利用補助するための装置を用いて上顎を拡大し、前歯4本を並べていきます。また上顎を拡大することで下顎との噛み合わせも上顎に合わせて変化し、下顎の奥歯の傾斜も自然に起き上がってきます。
【下顎前突〜受け口〜】
- 全体/部分的に下の歯が上の歯より前に出て噛んでいる。
乳歯列の段階ですでに受け口の状態で噛んでいるお子さんもいらっしゃいます。
その噛み合わせが骨格的な問題なのか、ただその位置が楽で癖になって噛んでいるだけなのかという判断をするにはまだ早い段階です。
しかし、ただの噛み癖であってもその状態が長く続くと骨格的な問題に移行していく可能性がございますのでその癖を早い段階で正す治療が必要です。
下の写真では治療前には上の歯が下の歯よりも内側に入り込んでしまっていますが、初期治療として上顎の拡大を行ったことで、上の歯が下の歯に被さるような正常な噛み合わせになっています。
初期治療についてなんとなくご理解いただけましたでしょうか?
次回ブログでは、STEP2の経過観察についてお伝え致します。