矯正装置を作っている歯科技工士のお話
今西 麻里江 歯科衛生士
2018.05.26
みなさん、こんにちは。
衛生士の今西です。
矯正装置にはたくさん種類があります
患者さんそれぞれに歯並びやお口の中の状態が異なるので、使用する矯正装置ももちろん患者さんによって異なります。
矯正装置には、インビザラインのように取り外しのできる装置や、歯に直接付いている固定式の装置などたくさんの種類があります。
これらの装置は、その患者さんの歯並びの状態等にあった装置を使用します。
インビザラインはスキャンしたデータを元にアラインテクノロジー社の工場で3Dプリンターによってアライナー(マウスピース型装置)が作られます。
では、上記の写真にもあるようなインビザライン以外の装置は誰が作っているのでしょうか??
主に、インビザライン以外の装置を使用する場合、歯科技工士が装置を作製します。
歯科技工士さんが普段、何をしているのかというと、矯正装置を作る上で必要なそれぞれの患者さんの口の状態を反映した歯型を元に模型や装置をつくっています。
ドクターの指示のもと、患者さんにぴったりの装置を作るために、診療室にいるドクターやスタッフとコミュニケーションを取り、治療がスムーズに進められるように心がけています。
近年、歯科技工の分野でも急速にデジタル化が進んでいます。
当院でも、3Dプリンターが導入されたので、スキャンした歯型をプリントして、出来上がった模型を元に装置の作製します。
矯正装置ができるまでの流れ
⑴歯型をスキャンし、スキャンデータを専用のソフトでモデリング加工
⑵プリントスタート
↑模型がもう少しでできます!!
⑶模型の洗浄
模型が出来たら、専用の液を使って洗浄します。
⑷硬化
洗浄後は光重合して硬化させます。
⑸装置作製
ここまで出来たら、この模型を使ってそれぞれの患者さんの装置の作製に入ります。
そして出来上がり!
また、装置の作製だけではなく、万が一装置が壊れてしまった時の修理も歯科技工士の役割です。
技工士はドクターや衛生士、受付、トリートメントコーディネーターとは違って、『裏方の仕事』のようなイメージですが、患者さんにとっても、私たちクリニカルスタッフにとっても、矯正治療を行う上でとても重要な役割のある人なのです。
技工士がいないと、装置も作れないし、患者さんの歯並びを治すこともできないのですから。
大阪・芦屋オフィスともに、オフィスに入ったら1番に目につく技工室。
毎日毎日、患者さんの装置を作製しています。
みなさんも、今日はどんな装置を作っているのか覗いてみてくださいね♪♪
『インビザライン』は、米国アラインテクノロジー社が開発したフルデジタルのマウスピース型矯正装置です。日本ではプラスティック素材と口腔内スキャナー『iTero』が認可されていますが、作製されたマウスピース装置自体は海外技工物であるため、薬機法対象外となります。様々なマウスピース型矯正装置の中でも最も症例数が多く、2019年現在全世界で600万症例以上治療されています。