インビザラインが出来るまで
松尾 すず 歯科衛生士
2018.03.23
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こんにちは。
歯科衛生士の松尾です。
今回は、当院で使用している マウスピース型矯正装置のインビザラインについてお話をしたいと思います。
みなさんがインビザラインについて調べて知っている事は、取り外しが可能な事、目立たちにくい事、装着時間などの使用方法についてだと思います。
なので私は少し違う視点で、 インビザラインがどの様にして作られてオフィスに届いて患者さんに渡しているのかについてお伝えしたいと思います。
1.歯型をとる
まずインビザラインをつくためには歯型が必要です。その歯型を当院では口腔内スキャナー(iTero element)を使用してとります。
なぜ当院では、粘土の歯型ではなく口腔内スキャナーを使用しているのか? その理由は従来の粘土と比較すると装置の精密度が異なるのと、どんな歯並びの方でも綺麗にとることができ、また、患者さんへの負担が少なくそして早くデータを送ることができるからです。2014年に iTero 2.9 (口腔内スキャナー) を購入し、2017年に iTero element (口腔内スキャナー)にパワーアップしました。iTero (口腔内スキャナー) については、
2.治療計画を立てる
次は治療計画を立てます。
口腔内スキャナーでとった歯型と、治療を開始する際に撮影した写真やレントゲン、患者さんのお口の動きを確認するために撮影した動画から全てを考慮し院長が治療計画を立てます。
(もし歯型を粘土でとっている場合、まずメキシコの工場に送られその工場でスキャニングされてコンピューター上で見れるようにする工程があります。しかし、当院では口腔内スキャナーでとっている為メキシコの工場には行かないので早く治療計画を立て始めることができます。)
その方法は、インターネットを介してクリンチェックと言うソフトを使用しコスタリカのエンジニアとやり取りを行い作製します。
スタートからゴールの設定まで綿密に計画を練り、そのゴールに向かって歯を動かすため、少しづつ形の異なったアライナー(マウスピース型装置)の設計図をつくります。
例えば、歯の位置、歯の移動スピード、アタッチメントの形態や大きさ…などを決めています。
インビザライン作製において一番大切な所がこのエンジニアとのやり取りです。エンジニアは矯正歯科治療を専門に行う歯科医ではない為インビザラインを使用した矯正治療がどこの医院で受けても同じと言うことではありません。
その為院長は、コスタリカのエンジニアと約5〜10回やり取りを行ってやっと出来上がります。
3.機械により製造
上記のようにして出来たクリンチェックデータは、メキシコの工場に送られ3Dプリンターにスタートからゴールまでの全ての装置が製造されます。
4.当院に装置が届く
メキシコから当院に届き、そしてやっとみなさんに装置を渡すことが出来ます。
この動画を見ていただくと分かりやすいかと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=m8cMGvWAPZY
みなさん、インビザラインを使用し矯正治療をすぐに始めたいと思っていると思いますが、上記の過程を経て患者さんに渡すことが出来るので、少しお時間がかかります。
その為、治療途中での再製作の場合も同じように新しいセットが届くまで少しお時間がかかります。
今回のお話でインビザラインが届くのを待っている間にどんなことが行われているのか知ってもらえると嬉しいです。
インターネットを介して海を渡って作られた装置、毎日届くのが楽しみです。
※『インビザライン』は、米国アラインテクノロジー社が開発したフルデジタルのマウスピース型矯正装置です。日本ではプラスティック素材と口腔内スキャナー『iTero』が認可されていますが、作製されたマウスピース装置自体は海外技工物であるため、薬機法対象外となります。様々なマウスピース型矯正装置の中でも最も症例数が多く、2019年現在全世界で600万症例以上治療されています。
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