マウスピース矯正
インビザラインはどこでやっても同じ?
2015.07.22
こんにちは,有本博英です.
最近とある患者さんから,インビザラインで治療するならどこでやっても同じでしょ,というようなことをお聞きしました.
とんでもない!
矯正治療は,『診断』と『装置』によって,治療結果が変わってきます.インビザラインでも同じです.
まず『診断』ですが,これは,これまでにそのドクターが学んできた知識的・経験的バックグラウンドによって大きく異なってきます.例えば私なら,インビザラインの患者さんであっても,セトリンの非抜歯矯正治療と,グリーンフィールドのCADテクニックの流れをくむMOO (Molar Oriented Orthodontics) に基づいた診断と治療方針を考えます.この時点で,抜歯するかしないか,臼歯を動かすのか動かさないのか,色々な選択肢がありますので,ドクターによってかなり異なってきます.
つまり目標とする治療ゴールが違うということです.
つまり目標とする治療ゴールが違うということです.
次に,『装置』ですが,インビザラインのアライナーを作るためには歯型のデジタルデータが必要です.この時に2種類の方法があります.PVSと呼ばれるシリコン印象材を用いたものと,イースマイルで行っているiTeroを用いたデジタルスキャニングです.PVSよりもはるかにデジタルスキャニングの方が精度の高い装置を作ることができます.イースマイルではこのiTeroを関西で最初に導入し,精度の高いアライナーを製作しています.インビザライン治療を行っているドクターは日本に4000人余りいると言われていますが,このiTeroスキャニングができるオフィスは日本全国でもまだ10数件しかありません.
そしてこの歯型のデジタルデータをもとにクリンチェックというソフトウェアでアライナーを設計していきますが,このクリンチェックは最初,歯科医師ではない海外の技術者によって大まかに作られてきます.そこから矯正歯科医がその患者さんに合わせて最適な歯の移動をデザインし,何回も修正してつくりこみます.ですので,そのクリンチェックには,矯正歯科医の経験やテクニックや治療に関する根本的な考え方が反映され,ドクターが異なればクリンチェックも異なってきます.
つまり,ゴールに到達するための道筋が違うということです.
つまり,ゴールに到達するための道筋が違うということです.
このように,インビザラインがデジタルテクノロジーをフルに応用したものであるとしても,ゴールもいろいろ,道筋もいろいろ.実際に歯科医院で行うのは歯型取りだけなので歯科医にとっても患者さんにとっても導入が簡単なシステムのように思えますが,どこで誰がやっても同じということはありえないですね.
ではでは.
PS. さらに,まだあまり公開していないのですが,イースマイルのアライナー矯正は,加速装置を併用することも.加速装置併用ならではの治療体験は,世界でもまだまだ限られた治療となります. ★