矯正最新情報
九州矯正歯科学会特別講演
2013.02.11
こんにちは、有本博英です。
矯正治療は審美的、機能的なゴールを設定して歯を移動します。そのために審美的な基準・機能的な基準というものが従来より研究され、臨床に使われてきました。しかし、いろんな年齢層の患者さんが矯正治療を受けられるなか、それぞれの年齢層で同じゴールで良いのか?同じゴールとして考えてよいのはどういう部分か?という疑問が、そもそもこのサステイナブルな矯正治療の概念を思いついた始まりです。
例えば前歯、特に下顎前歯の位置づけは、診断基準の一つとしてよく使われますが、様々な年齢層の正常咬合者を調べたところ、年齢とともに傾斜が大きくなっていくという事がわかっていますので、切歯の位置づけを基準として診断する事はサステイナブルとはいえないのです。今回の発表では切歯や臼歯の位置づけ、関節の形態、歯槽骨の状態など、矯正治療に関連する様々な部位の成長と加齢変化をレビューし、それぞれのバランスがとれた治療ゴールを求める事が、真のサステイナブル(長期にバランスを取って維持できる)な治療につながるのではないか、という話をしました。
幸いにも講演後、多くの先生方からお声をかけていただき、とても良かった、感動したという言葉までいただいて、恐縮いたしました。私のような一開業医に異例の特別講演を任せていただいた九州歯科大学教授の山口大会長や黒江学会長に感謝いたします。
また、九州といえば2年前に日本非抜歯矯正研究会で別府に行った時のふぐが忘れられず、学会後、兼子先生にお願いして臼杵までフグを食べにいってきました。ちょうど節分の日に『福わ内』さんという縁起のいい名前のお店でふぐをいただきました。これはもうここでしか味わえない、ちょっと形容できないほど素晴らしいもので、別府まで温泉に行かれる事があればぜひ臼杵まで足を延ばす価値があると断言します。兼子先生、ありがとうございました。